プロ野球・読売ジャイアンツ(巨人)の田中将大が28日、日米通算200勝をかけて広島戦(マツダスタジアム)に登板する。
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名球会入りの資格要件は、打者は通算2千安打以上、投手が通算200勝以上もしくは通算250セーブ以上だ。
プロ野球で通算2千安打以上を放った打者は56人。一方で、通算200勝以上を挙げた投手は24人、通算250セーブ以上をマークしたのは4人だけだ。
先発投手にとって、200勝到達は「険しい道」だ。その理由はいくつかある。
プロ野球のレギュラーシーズンは現状143試合。先発投手は中6日を空けてローテーションで登板するのが基本で、年間の登板数は多くて25試合前後だ。
レギュラーシーズンが162試合ある大リーグでは先発投手は中4日で投げるが、それでもイニング数や登板数は制限される。そのため、年間の勝利数は限られる。
直近20年の最多勝で最も勝ち星が多かったのはセ・リーグが18勝で、2011年の吉見一起(中日)と内海哲也(巨人)。パ・リーグは13年、当時楽天の田中が挙げた24勝だ。
セ・パの過去5シーズンでみても、21年の山本由伸(オリックス)が18勝を挙げた以外は、15勝前後で最多勝を獲得していて、「20勝投手」は出てこなくなった。
また、投手はひじや肩のけがで離脱することもあり、選手寿命は決して長くない。そのため通算200勝を挙げることは、難しくなってきている。
プロ野球通算200勝の最後の達成者は、08年の山本昌(中日)。以降は現れていない。日米通算200勝達成者は、05年の野茂英雄(デビルレイズ)、16年の黒田博樹(広島)、24年のダルビッシュ有(パドレス)の3人しかいない。レッドソックスなどでプレーした松坂大輔は、日米通算170勝(日本114勝、大リーグ56勝)だった。
ダルビッシュ以外に米国でプレーする現役投手では、前田健太(ヤンキース傘下3A)が日米通算165勝(日本97勝、大リーグ68勝)、菅野智之(オリオールズ)が同146勝(日本136勝、大リーグ10勝)を挙げている。27日(日本時間28日)に2年ぶりに勝利を飾った大谷翔平(ドジャース)は同81勝(日本42勝、大リーグ39勝)だ。
プロ野球では今季24年目を迎えた石川雅規(ヤクルト)が5月4日に通算188勝目を挙げ、200勝達成に意欲を見せている。
日米通算200勝以上の投手
勝利数 試合数
※ダルビッシュ有(パドレス) 206 459
黒田博樹(広島) 203 533
野茂英雄(ロイヤルズ) 201 462
(所属は最終、※は現役)
プロ野球通算200勝以上の投手
勝利数 試合数
金田正一(巨) 400 944
米田哲也(近) 350 949
小山正明(洋) 320 856
鈴木啓示(近) 317 703
別所毅彦(巨) 310 662
スタルヒン(ト) 303 586
山田久志(急) 284 654
稲尾和久(鉄) 276 756
梶本隆夫(急) 254 867
東尾修(西) 251 697
野口二郎(急) 237 517
若林忠志(毎) 237 528
工藤公康(西) 224 635
村山実(神) 222 509
皆川睦雄(南) 221 759
山本昌(中) 219 581
杉下茂(大) 215 525
村田兆治(ロ) 215 604
北別府学(広) 213 515
中尾碩志(巨) 209 516
江夏豊(西) 206 829
堀内恒夫(巨) 203 560
平松政次(洋) 201 635
藤本英雄(巨) 200 367
(所属は最終=近は近鉄、洋は大洋、トはトンボ、急は阪急、鉄は西鉄、毎は毎日、南は南海、大は大毎)